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アルコールの功罪

・女性ドリンカー急増中!
 二代目院長として小さな医院を開業して一番良かったと思うことは、 自分の時間が比較的ゆっくりと取れるということでした。 最近、暇さえあれば色々な所へ出かけてお昼のランチの食べ歩きを楽しんでいます。 そこで、まず驚くことは「どこへ行っても9割以上が女性ばかり!」ということです。 こんな姿を世の男性諸君がご覧になれば「バカらしくて働く気が無くなる」のではと心配するほどです。 美味しいご馳走のみならず、グラスワインに生ビール…。 食べっぷりも飲みっぷりも、そしておしゃべりも豪快そのものです。 なるほど女性は長生きするはず?!
 さて、少し話が横道にそれましたが、最近確かに繁華街の女性泥酔者、家庭のキッチンドリンカーが増えています。 高知県の日本酒早飲み大会で毎年優勝するのも女性だそうです。 妊娠女性の飲酒が胎児に悪影響を与えることは有名ですが、それだけではなく女性は男性より アルコールの影響をより強く受けて害が出やすいという報告があるので要注意です。

・強い人 弱い人(お酒の適量とは?)
 アルコールは胃と腸で吸収され、肝臓で分解されます。このアセトアルデヒドという分解物が、 あの劇薬ホルマリンの親戚筋にあたる物質で、 頭痛や吐き気など悪酔いの原因となるのです。 そしてこのアセトアルデヒドをすみやかに酢酸にかえ、さらに二酸化炭素と水にまで分解して 体外に排泄させるのが体内のアルコール代謝酵素です。 つまり、酒が強いのは肝臓が強いというよりも、この酵素の量が多いということなのです。
 一般的にお酒の適量は一日あたりアルコール20gとされ、日本酒なら1合(180ml)、 ビールなら大ビン1本、ウイスキーならダブルの水割1杯、ワインならグラス2杯(180ml)、焼酎なら1/2合くらい、 カクテルなら1杯くらい、というのが目安となります。

・『百薬の長』か『気狂い水』か?
 お酒を飲み過ぎると必ず胃腸、肝臓、膵臓、脳神経などの病気になります。 例えば、日本酒なら毎日3合5年で脂肪肝、5合10年で肝硬変になってしまいます。 また、一気飲みに代表される急性アルコール中毒では毎年実に約50人が死亡しています。 もう一つの「アル中」が慢性アルコール中毒(アルコール依存症)で、これもなかなか厄介です。
 一方、上手にお酒を飲むと食欲増進、血行促進、動脈硬化予防などに効果があると報告されています。 すなわち脳神経でいえば「ボケのもとにもなるし、ボケ予防にもなる」という両刃の剣といえるでしょう。

・(当院おすすめ)飲酒のルール10ヶ条
 1)適量を守る(自分の限度をわきまえるのは大人の自己責任です)
 2)良いつまみ(良質蛋白、アルカリ性食品)を食べながら飲む
 3)あくまでも楽しく愉快に飲むこと
 4)なるべく酒休二日(一週間に二日の休肝日)を守る
 5)いわゆる晩酌で飲む(昼酒や寝酒はやめた方が無難です)
 6)けっして他人に無理強いしない(とくにヤングと女性には)
 7)どんな薬もアルコールといっしょに飲まないこと
 8)飲んだら乗るな(飲酒運転事故は人生を破滅させる)
 9)飲んだら入るな(飲酒後の入浴は自殺行為です)
 10)遅くとも夜11時には飲むのをやめて、12時までに寝ること

・カクテル談義
 カクテル好きの男性を女性が好きかどうかは疑問ですが、 男性だって甘い余韻に浸りたい時もあるはず。そもそも小生は、どんなお酒でも好きなのですが、 残念ながら少量しか飲めず、飲み過ぎるとすぐに気分が悪くなってしまいます。 またワイワイガヤガヤ大勢で飲むよりも(まあ、たまにはこれも良いですが…)例えば、高層ホテルのスカイラウンジで 静かな会話や音楽を楽しみながらカクテルを飲むほうが好きなのです。
 カクテル命名は面白いもので、ベースの酒の違いだけで サイドカー(ブランデー)、ホワイトレディー(ジン)、バラライカ(ウォッカ)、 XYZ(ラム)、マルガリータ(テキーラ)などといった具合です。
 世の中、酒の強い人、弱い人、病気や体質で飲めない人、楽しい酒、悲しい酒、上品な酒、下品な酒など様々です。 いずれにしても、アルコールとは上手に付き合っていきたいものですね。

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