たかはし医院 タイトルロゴ

胃の血液検査

最近、血液検査で胃粘膜の状態を見ることが可能となり、 さらにその中から高い確率で胃ガンが発見され、注目を浴びています。

・ペプシノーゲン【PG】
 PG(ペプシノーゲン)は胃粘膜主細胞から分泌される消化酵素ペプシンの前駆物質です。 そして、血液中に微量に存在するPGを測定することにより、胃粘膜分泌量が推測できます。 PGは胃粘膜の老化(萎縮性変化)に伴って、分泌量が低下することが分かっているのです。 人間は年を取ると、体力の低下や皮膚弾力の減少などの老化現象が認められます。胃粘膜も例外ではなくて、この状態が 萎縮性変化と呼ばれるもので、自覚症状が殆どなく徐々に胃全体に広がっていきます。
 近年、胃ガンの大部分がこのような萎縮性変化を伴って発生することが明かとなりました。萎縮性変化の全てにガンが発生するのではありませんが、 胃粘膜に胃ガンやポリープなどが発生し易い危険な状態になっていることを示しています。

・ヘリコバクター・ピロリ【HP】
 HP(ヘリコバクター・ピロリ)は100年も大昔に発見されていたのですが、 長らく胃病変との関連性は注目されませんでした。 ところが、約10年前にWHOにより発ガン物質だとされてから、日本のマスコミでも盛んに報道されるようになりました。
 HPは、従来は強い胃酸(ph1〜2)の中では存在しないと思われていた胃液中でも生き続け、 感染すると、胃粘膜に炎症細胞浸潤をおこし、慢性活動性胃炎状態になります。 そして、この炎症状態が萎縮性胃炎を引き起こすとされています。
 その後、HPが胃潰瘍にも関係していること、さらには、胃ガンの危険増加との関連が確認されるようになってきたのです。

・胃ガンとPG&HP
 胃ガンは、肺ガンと並んで、最も多いガンの一つです。我国では 毎年3万人以上の方々が病死されます。
 本来PGやHPは、胃粘膜の萎縮性胃炎を調べる為の検査です。 しかし、この状態に多くの胃のただれや潰瘍が認められ、その一部に胃ガンや前ガン病変も見つかることが明らかになりました。
 最近の報告では…
 ・PG陽性により、胃ガン確率が2.8倍
 ・HP陽性により、胃ガン確率が2.2倍
 ・両方陽性により、胃ガン確率が17.7倍になるとされています!

・簡単な血液検査
 勿論、胃の直接検査は内視鏡(カメラ)又は透視(バリウム)です。しかし、何らかの理由で、これらの直接検査を受けられない方には、PGやHP検査が勧められているのです。 単なる血液検査ですから、簡単で不快感がありません。既に胃ガン検診として採用している自治体もあります。さあ、あなたも簡単な血液検査(PG&HP \3,800)で胃の健康度をチェックしてみませんか?

たかはし通信のトップページへ戻る   トップページへ戻る