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かぜ症候群

・誰でも300回?
 誰でも年に一度や二度かかるのが“かぜ”(風邪)。「もう何年も風邪なんかひいたことがない!」と自慢される兵もいらっしゃいます。 しかし、平均的には6歳以上で年に3〜4回、5歳以下で年に6〜7回は風邪をひくのが一般的です。 ですから、平均寿命まで生きるとして、一生の間には300回くらい風邪をひくのです。

・風邪の原因は?
 80〜90%がウイルスです。その種類はなんと約200種類! 風邪にも色々なタイプがあるはずですね〜。代表的なウイルスが冬に多いらいのウイルス(一番多くて3割〜半数を占める鼻風邪)、 春や秋に多いコロナウイルス(ちなみに、これが変身したのが新型肺炎SARS)、その他にRSウイルスなどがあります。ウイルス以外の原因として、クラミジアやマイコプラズマなどがあります。

・風邪の病名も色々?
 専門的には鼻炎、扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎、上道気道炎、気管支炎、感冒、インフルエンザなどの病名があります。 症状から、俗にはな風邪、のど風邪、せき風邪、熱風邪、胃腸風邪などと呼ばれることもあります。これらを総称したのが“かぜ症候群”なのです。

・インフルエンザは?
 「インフルエンザは風邪じゃない」という言い方があります。しかし、インフルエンザも同じくかぜ症候群の一つなのです。 ただ、あまりにも症状が強くて危険性が大きいため、またワクチンもありますし、検査法や治療法が特殊なため、ワザと区別されるようになりました。

・夏の風邪とは?
 特に子どもの夏風邪の代表として有名なのが、【咽頭結膜炎】(プール熱とも呼ばれる、原因は各種のアデノウイルス)、【ヘルパンギーナ】(のどの痛み、高熱、原因はコクサッキーウイルスA群)、 【手足口病】(エンテロウイルスなど各種)の3つです。 いずれも、呼吸器症状(はな、のど、せき、たん)は少ないです。

・風邪と紛らわしい病気
 アレルギー性鼻炎、気管支喘息の初期、はしかの初期、ポリオ、小児麻痺、オウム病、肺結核、肺ガン、急性肝炎、血液の病気などが隠れていることもあります。 すわなち、風邪と良く似た症状から発病する他の病気が非常に多いということです。 最初の1〜2日目では専門家の名医でも分からないことが度々あるのです。

・発熱について
 熱が出ただけですぐ風邪だと考える人が多いのですが、発熱する病気は本当に沢山あるので注意が必要なのです。そもそも「熱は体を守るための免疫反応なので、38度くらいの発熱なら全身状態が悪くなければ、むやみに解熱剤は使用しない…」 というのが最近の考え方です。

・病医院を受診するタイミング
 普通風邪の特効薬は残念ながらありません。勿論ひき初めに受診しても悪いことはありませんが、軽症なら皆さん薬局で薬を買って自宅療養をされるでしょう。 病医院を受診するということは、いわゆる「こじれた時」なのです。つまり、こじれるとは細菌感染症にすすむことであり、日本呼吸器学会のガイドラインによると、39度以上の発熱の時、 鼻水や痰の色が黄色や緑色になってきた時、喉の痛みや咳などの症状が強い時とされています。 ですから、病医院では各種の抗生物質や抗菌剤が投与されることが多いのです。

・風邪は万病のもと
 風邪をこじらせると色々な病気を併発したり続発したりします。 中耳炎、副鼻腔炎、肺炎、心筋炎、腎炎、髄膜炎、脳炎などです。下手をすると死に至ることもあります。

・風邪を防ぐ生活
 平素から栄養・運動・休養に心掛けて、健康維持に努めることが基本です。 雨に濡れて体を冷やしたり、寝冷えも良くありません。 予防としては、昔から言われるように人混みを避けて、《手洗い&うがい》しかありません。

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