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迷走するコロナワクチン体制

 政府が切り札とするワクチン。しかし、今のところ残念ながら先進諸外国と比べても恥ずかしいほど低い接種状況! これは【ワクチン不足および流通管理の不備】と【複雑怪奇な各種システムの乱立】が原因だと言われています。

 コロナ関係の情報システムは実に10以上も存在しており、ワクチン接種に直接関与するものが3つ[V-SYS]、[VRS]、[HER-SYS]です。 それぞれ厚労省、河野大臣、各自治体が所管しています。 何百億円もかけて急遽(バラバラ)に作成したようですが、相変わらずの縦割り行政、確執による連携不足や互換性欠如などの理由で余計な入力作業だけが増えるばかり! 使い勝手が悪くてお粗末なシステム導入を強要された現場の評判は最悪で、 最前線の担当者は悲鳴を上げています。SNS上では「残業100時間」、「過労死寸前」、「システムハラスメント」などという言葉が飛び交っていますがNHKは報道しません。 殆ど使用されていない[接触確認アプリCOCOA]、自治体に配布されたまま使用されずに山積みになっている[タブレット]、 [読み取れないバーコード]などに湯水の如く税金が使われているらしい。 今後は様々な種類のワクチンが併用されていくでしょうから、現在のシステム運用では個人接種履歴の一元管理はとても無理でしょう。

 そもそも、ワクチン接種には「個別」と「集団」があります。「集団」のほうが短時間で桁違いの多人数に実施できるので、コレが世界の標準方式です。 ところが、政府は従来の方式を踏襲し、各自治体に丸投げし、各地域の病医院に依存しました。2009年の新型インフルエンザ騒動の時、全国の病医院は大混乱に陥りましたが、その教訓が全く生かされていないのです。

 特に今回のワクチン接種は特殊です。「個別」に参加する病医院は、上記のシステムを使いながら、発注納入作業、予約受付作業、殺到する電話対応、冷凍冷蔵保管庫、3密をさけられる部屋の確保、相応の専門スタッフ配置、急変時の医療機器の準備、 より厳しい予診票の管理、廃棄(無駄)が極力出ない努力、溶解後6時間以内の素早い使用、接種後15分以上の状態確認、接種人数などの事後報告などを求められています。 これらを通常業務の合間にする神業が必要になるのですから、普通のクリニックでは直ぐにパンクです。

 最近ようやく政府も反省して?「個別」から「集団」へシフトする兆しが出てきました。 しかし、現場重視の綿密な準備をしないと、既に保管ミス、溶解ミス、接種ミス等が報告されています。 アベノマスクから始まって、これまでも様々な無駄や不手際が指摘され続けてきました。失敗は謙虚に反省して改善していくのが基本のはず! コロナ禍でも給料の変わらない官邸や高級官僚の皆さんは現場の実情を真剣に体感するべきでしょう。

 なんとか東京オリンピックは終了しましたが、借金大国日本に更なる赤字が残ります。 財政再建計画を無視して、無責任に巨額支出を続ける無能な政治家たち…。子供や孫達の将来が非常に心配です。

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