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死後の世界

・はじめに
 人はいつかは死ぬ! これは、どんな人間も避けられない宿命です。では、この肉体が滅んだら、人はどうなってしまうのでしょう?  残念ながら、最新科学も、その答えを見つけていません。また宗教も、この問いにハッキリとは答えていません。 ただキリスト教では「神の国」、仏教では「極楽浄土」と“あの世”を表現しています。 しかし、私たち人間は死が不安だから聞きたくなるのです。「死んだら、いったいどうなるの?」と…。

・天国と地獄
 人は死ぬと、現実とは違う別の世界へ行くという考え方は、世界中の宗教や神話の中にしばしば見ることができます。 最初に「天国と地獄」という概念が生まれたのは、古代エジプトの宗教やゾロアスター教の頃だといわれています。 そして、現世で宗教的な善行を積まなければ、死後に地獄に落ちるという思想が明確になったのは、キリスト教、仏教、イスラム教のような世界三大宗教が発生してから後のことです。
 一方、神道では全てのものに神を見いだし、人は死ぬと神に近づくとされ、霊魂は肉体から離れて他界(これが何かは判然としない)に行って、 祭りの時などに現世に帰ってくるとしています。

・信仰と宗教
 人が死の不安から逃れることが出来ないのは、この世の価値観に執着しているからでもあります。 執着しているものは、人夫々で、お金、地位、名誉、友人、家族など様々でしょう。 宗教の側から言うと、そういう現世的価値こそ「どうでもよいもの」なのです。
 まあ、それは良いのですが、世の中には色々な悪徳宗教があります。 中にはオウム真理教やイスラム原理主義のテロを思い出して怖いと感じる人も多いでしょう。 世界三大宗教のうちの2つ、キリスト教とイスラム教、それらの源流となったユダヤ教。 この3つは、同じ神様を信仰する同類で、アブラハム宗教ともよばれているのに、なぜ戦争をしたり、憎みあったりするのでしょうか?
 結論的に言えば、信仰≪神や仏や先祖を敬い信じる心≫と宗教≪その方法論を教えるものですから、良いものも悪いものもある≫は違うということです。

・生まれ変わりと復活
 「生まれ変わり」を説く宗教があります。 よく知られているのが「輪廻転生」です。 これは仏教というイメージがありますが、それ以前の古代インドのバラモン教に由来するものだそうです。 六道(畜生道、地獄道…)の、どの世界に生まれ変わるかは生前の行い(カルマン:業)によって決まります。 そして、真理を悟れば輪廻転生の繰り返しから脱出できる(解脱)というのです。
 一方、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教では「復活」が説かれます。 この「復活」という概念が最初に登場するのは、古代エジプトのオシリス信仰です。 そして、ゾロアスター教に「最後の審判」という考えが登場して、死者も再び復活して審判を受けるとされているのです。
 ちなみに、「復活」を信じる宗教では、遺体を焼いてしまうと復活するボディがなくなるので、土葬またはミイラにします。 そして「生まれ変わり」を信じる宗教では、遺体そのものには意味がありませんから火葬にするのです。

・おわりに
 最近、“オーラ”とか“スピリット”がブームですが、江原さんの言葉を拝借してみましょう。 『死後の世界は存在します。私たちは肉体を持った霊魂なのです。 人間は肉体とエーテル体(オーラ)と呼ばれる幽体、霊体で成り立っています。 私たちが住んでいる世界(現世)に対し、死後の世界は幽現界、幽界、霊界、神界と大きく4つに分けられます…』。
 小生も先祖、宗教、人の幸せ、死後の世界などを考えるようになりました。これも年のせい?  さて、あなたは如何お考えでしょうか?

参考図書:「世界の宗教101の謎」21世紀思想研究会 「もう一度学びたい世界の宗教」渡辺和子 「人はなぜ生まれ、いかに生きるのか」江原啓之

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